お遍路さん基礎知識 その1
巡礼・参拝の手引き
四国霊場の巡り方
札所を巡礼することを打つといい、1番札所から順番に廻るのが「順打ち」。88番札所から逆に廻るのが「逆打ち」(逆打ちは順打ちを3回廻るのと同じご利益とか)。全ての霊場を一編に打ちとおすのが「通し打ち」、何回かに分けて打つのが「区切り打ち」と呼びます。 また、ひとつの県を一国として廻る「一国参り」があります。
順番に廻らなければいけないとか、一度に廻らなければいけないといった決まりはありませんので、自分にあった廻り方を探してみてはいかがでしょうか。
移動について
四国霊場の全道程は1200〜1500kmといわれ、
歩き遍路で約1ヶ月〜2ヶ月。
車やバスを利用して1週間から2週間で廻ることができます。
道標(みちしるべ)について
昔から四国のへんろ道には道標と呼ばれる案内標識があります。
分かれ道での次のお寺への方角・距離等、先輩のお遍路さんたちが後のお遍路さんが迷わず安全に巡礼できるように残してくれたものです。
過去に霊場を280回も巡礼した中務茂兵衛というお遍路さんは一人で230余基の道しるべを残しました。


道路が整備された今、形を変えながらも道標がお遍路さんを安全に導いてくれています。
「四国のみち」について
遍路みちを歩いていると、「四国のみち」と書かれた道標がたびたび目に留まります。
四国のみちは旧遍路みちをベースに国が定めた、四国を再発見しようという四国自然遊歩道で、歴史・文化指向の国土交通省ルート(約1300km)と自然指向の環境省ルート(約1600km)の2ルートがあります。

このホームページで紹介している「昔ながらの遍路みちコース」は、四国のみち国土交通省ルート「高松歴史文化道」です。
納経について

納経帳に朱印をいただける時間と金額は霊場会により決められており、
全霊場ともに 年中無休 午前7時〜午後5時

納経帳 300円 白衣 200円 掛け軸 500円 となっています。

2回目以上の巡礼の場合も同じ納経帳に朱印をいたけますが、この場合墨書はせず「重ね印」として朱印のみいただくことができます。

結願(けちがん)について
八十八すべての霊場を廻り終えることを結願といい、八十八番札所大窪寺で長い道程をともにした金剛杖と菅笠を奉納します。希望者には有料で結願証明書が発行されます。
また、八十八ヶ所全て廻リ終えた後も道程は続き、高野山奥の院のお大師さまに巡礼の無事を報告し、納経帳の最初の頁に朱印をいただいて全ての道程が終わります。
巡礼用品
全てを揃えないといけないというものではありませんが、弘法大師の化身といわれる金剛杖をはじめ、代表的なものをいくつかご紹介します。
御影帳 白衣%白装束 納札 経本 納経帳 頭陀袋 持鈴 数珠 金剛杖 輪袈裟 菅笠
作法・しきたりについて

●同行二人の意味
 金剛杖はお大師様の化身といわれており、一人遍路でもお大師様が一緒で、常に見守っていてくれる。
  と、いうことから金剛杖や頭陀袋に同行二人と書かれるようになりました。
●宿に入るときは金剛杖の先を洗います。
 金剛杖はお大師様の御足。綺麗に水で汚れを落とし、床の間または所定の場所に納めましょう。
●橋の上では杖をついてはいけません。
 ご苦労をされたお大師様が橋の下でお休みになっているかもしれません。
 お遍路さんはお大師様を起こさないよう橋の上で杖をつかなくなりました。
●不浄な場所では輪袈裟ははずしましょう。
 御手洗いなど
靴を脱いで上がる場所では菅笠をぬぎましょう。
 お堂の中や僧の前ではとらなくてもかまいません。
●持鈴は移動中頭陀袋などに入れ、音をさせないようにしましょう。